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REPORT3 摂待水門(摂待地区海岸災害復旧) 7年以上の工期を経て完成した、命を守る新たな防潮堤・水門

  • SDGs 住み続けられるまちづくりを
  • SDGs 海の豊かさを守ろう
上流側より 水門は遠隔操作により自動で開閉する上流側より 水門は遠隔操作により自動で開閉する
工事概要
工事名
摂待地区海岸災害復旧(23災598号)工事
事業主
岩手県
設計
日本工営株式会社
工事場所
岩手県宮古市
工期
2015年3月~2022年12月
工事概要
復旧延長202.8m
水門:1基(3径間)
防潮堤:(左岸)53.9m、(右岸)80.1m

豊かな海の幸に配慮しながら命を守る水門を再生

太平洋に面した岩手県の三陸沿岸部は、度々津波の被害を受けてきました。岩手県下閉伊(しもへい)郡岩泉町から宮古市を経て太平洋にそそぐ摂待川の河口には、津波による被害の教訓から1978年に構築された旧摂待水門が設けられていましたが、2011年の東日本大震災による津波被害によって、水門の一部を残しほぼ全ての構造体が破壊・流亡しました。
震災復興事業としての新たな水門の建設工事は震災から4年が経過した2015年に始まりました。複雑な地形による水門構造の大幅な変更や台風による冠水被害、資材調達難などの影響による工期延伸など、厳しい工事を経て2022年12月、摂待川の河口に新たな水門が完成しました。
新たな水門は旧水門より高さが1m高く、津波警報等と連動した自動閉鎖システムにより遠隔操作で開閉します。これにより消防団員が直接現地に行く必要がなくなり、被害の拡大を防ぐことが可能になります。災害などで停電した場合でも、装置は予備電源で作動します。
当該地域はアワビ・ウニ・ワカメ・サケ等の海産物の産地であり、1年を通して漁期が続く中で工事による河川汚濁防止に気を配り、漁業関係者の方々との協議を重ねながら工事を進め、良好な漁場維持に努めました。

  • 水門部分(施工中)水門部分(施工中)
  • 上流側より太平洋を望む上流側より太平洋を望む