CSR
持続可能な社会の実現に向けてCSRへの取り組み
公正な事業慣行コンプライアンス ~法令を順守した事業活動~
コンプライアンスの徹底
コンプライアンスは企業の社会的責任の基本であり、企業存続の根幹をなすものであるとの認識のもと、法令違反や不正を防止する社内体制の強化、全役職員の社会規範も含めた意識向上等、全ての面において徹底を図っています。
当社では全役職員が日常活動において法令を順守し、建設業の健全な発展に寄与するため、以下の「行動規範」を定め、その浸透に努めています。
- 1.建設産業の健全な発展に寄与するため、建設業の構造改善の推進について積極的な取り組みを行う。
- 2.企業倫理を確立し、法令に違反する行為を排除し、公正な競争が維持される建設市場の環境整備に努める。
- 3.生産性の向上、技術力の錬磨、人材の育成等広い範囲にわたって不断の経営努力を重ねる。
- 4.建設業法や独占禁止法等の関係法令の順守に努め、公正な企業活動を行う。
当社は経営方針「企業の社会的責任を果たす経営の実践」において、「法令順守に関する教育、指導、社内チェックシステム制度を確立し、あらゆる事業活動において、高い倫理観の下、企業としての社会的責任を果たす経営の実践」を掲げ、全役職員のコンプライアンス意識の醸成を図ってまいりました。
しかしながら2022年11月に当社元従業員1名が刑法違反(公契約関係競争等妨害)並びに官製談合防止法違反により有罪判決を受ける事態が発生しました。本件に伴い、当社は国土交通省近畿地方整備局から2023年3月から2023年7月までの期間、東海地区4県で建設業法に基づく営業停止処分を受けました。関係者の皆様にはご心配とご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。
当社は今回の処分を厳粛に受け止め、全役職員のコンプライアンスのさらなる徹底に向け、従来からの取り組みに加え、再発防止の取り組みや改善措置を進めております。
- ①従業員向けコンプライアンス教育の強化
- ②経営幹部向けコンプライアンス講習会の開催
- ③本社業務監察部管下に「コンプライアンス推進課」を設置
- ④就業規則等、コンプライアンスに係る諸規定の見直し
従業員向けコンプライアンス教育の強化
本社総合支援本部と総合企画部が合同で各支社店を巡回し、従業員を対象としたコンプライアンス研修会を開催しているほか、各支社店でも集合研修等の機会を利用し、支社店独自のコンプライアンス教育を実施しています。各研修の出席者との意見交換や受講者の理解度確認を通して、会社と従業員の双方向型の直接対話を図るとともに、教育効果の測定と不適切事例の発生防止に取り組んでいます。
経営幹部向けコンプライアンス講習会の開催
業務監察部コンプライアンス推進課の施策として、2022年6月と11月に当社の経営幹部と管理職を対象に「コンプライアンス講習会」を開催しました。福岡県警本部長、大阪府警本部長などを歴任した樋口コンプライアンス法律事務所の樋口眞人氏を講師に招き、「時代の要請に応えるコンプライアンス」と題し、ご講演いただきました。
当社は引き続き全ての役職員を対象に、外部の知見も積極的に取り込み、時代の要請に応じたコンプライアンス意識の醸成を図ってまいります。
本社業務監察部管下に「コンプライアンス推進課」を設置
コンプライアンス推進を担う専任部署として、2022年3月に本社業務監察部管下に「コンプライアンス推進課」を設置しました。コンプライアンス推進課は、本社・本部・各支社店が実施する各種のコンプライアンス教育計画の実施状況の管理・指導・支援および適用法令や不祥事事例の情報収集と社内情報共有を図るとともに、有効性の確認を行っています。
反社会的勢力の排除
反社会的勢力とは一切の関係をもたず、反社会的勢力から不当要求がなされた場合には、これを拒絶します。反社会的勢力排除のため、以下の施策を実行しています。
- 1.対応統轄部署を総務部に、不当要求に対する相談窓口を全国の支社・支店庶務課に設置しています。
- 2.「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を全役職員に周知徹底し、企業価値の向上を図っています。
- 3.警察、全国暴力追放運動推進センター等と緊密な連携関係を構築し、企業防衛協議会等に加入し、暴力団排除活動に参加するとともに、反社会的勢力の情報を収集し活用しています。
- 4.反社会的勢力が協力会社となって不当要求や利益を得ることを防止するため、反社会的勢力の経営関与および交際関係があった場合、直ちに契約を解除する旨の専門工事基本契約書を協力会社と締結し、排除の徹底を図っています。
また全役職員を対象に「反社会的勢力の排除」についての社内教育を実施し、具体的な事例を交えて関連する法令についての知識の浸透と法令順守の意識高揚を図っています。
個人情報の適正な管理
個人情報を適切に管理することは企業の社会的責任であるとの認識のもと、「特定個人情報(マイナンバー)等取扱規定」および「個人情報保護規定」を制定し、個人情報を適正に管理しています。
当規定に則り、全役職員を対象に個人情報保護法の教育を実施し、理解度テストにて効果の確認を行っています。一人ひとりが個人情報保護法についての知識を養い、認識を高めることで情報管理の徹底を図っています。
公正な調達の推進
一定額以上の取引契約物件については、専門工事業者3社以上に対して設計図書や参考内訳書、見積条件等を提示し、見積徴集を行っています。受領した見積をもとに、各専門工事業者にヒアリングを実施した上で公正・公平に業者選定を行い、工事請負基本契約の取り交わし、注文書の発行、注文請書の受領等の契約行為を行っています。契約締結にあたっては、見積条件に基づき、図面や仕様書・その他の設計図書に則って、信義を守り誠実に履行しています。
また、工事完了時に、施工管理・原価管理・工程管理・安全衛生管理・作業所管理の面から、作業所長が協力会社と職長の評価を行っています。評価結果は、社内の評価システムに蓄積し、次回以降の協力会社選定時の参考データとして活用しています。
独占禁止法の順守
全役職員が、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」の順守を徹底するために、「独占禁止法順守に関する業務要領」を制定し、独占禁止法等の順守に関する方針(「行動規範」)に則り法令順守に努めています。
また、「官庁営業コンプライアンスガイドライン」を制定し、コンプライアンスを厳守した営業活動の徹底を図っています。
インサイダー取引の排除
「内部者取引の規制および内部情報の管理に関する規則」を制定し、会社の重要な情報に容易に接することができる役職員が、その情報が公表される前に株式等を売買等することを禁止しています。当規則を周知徹底するため、インサイダー取引に関する社内教育を実施しています。
外国人労働者の適法な就労
外国人就労者の多くは、外国人技能実習制度等を利用して適正に就労していますが、当社では新規入場する外国人には必ず就労資格と在留カードの確認を行っています。また、協力会社と連携して不法就労撲滅運動を実施しています。