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アーバンネット日本橋ビル
建物全景
再開発の進む日本橋二丁目の永代通り(国道1号線)沿いに、事務所ビルを新築しました。アーバンネット日本橋ビルは、制振ブレースによる制振構造を採用したCFT造で、広い無柱の事務所空間を創出するとともに、採光や通風などの自然環境を積極的に取り入れる様々な環境手法を用いています。また、72時間稼働の自家発電設備や浸水対策、備蓄倉庫を備え、BCPにも対応しています。
工事概要
施工場所 | 東京都中央区日本橋 |
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建築主 | NTT都市開発株式会社 |
設計・監理 | 日総建・NTTファシリティーズ建築設計共同企業体 |
建物用途 | 事務所ビル |
構造・規模 | CFT造(一部SRC造)地下1階 地上10階建 |
建築面積 | 1,416.72m2 |
延床面積 | 14,657.16m2 |
建物 Building
建物は、南側のコア部に大型の光ダクトを設けることで奥行25m近い事務所スペースに4面採光を実現しました。光ダクトは事務所スペースだけでなく、各階エレベータホールや1階のエントランスロビーにも自然光を導いています。永代通りに面した北面約36mは、Low-eガラスを使用したフルハイトサッシュで、北面からも安定した採光を得られるだけでなく、高い断熱性を有しています。
エントランス廻りには天然石をふんだんに使用し、歴史ある日本橋交差点に建つオフィスとしての風格を備えています。内装は木調を多用し、光ダクトからの自然光の他は間接照明のみのエントランスロビーやエレベータホールは落ち着いた雰囲気を演出しています。
また、制振オイルダンパーを各階に設置し、地震時の揺れを低減するだけでなく、階ごとに4基のTMD(Tunes Mass Damper:機械式制振装置)を設置することで、大スパンで懸念される床振動を抑え、居住性を向上させています。
建物断面と環境配慮手法
エントランスロビー
広い無柱の事務所スペース
エレベータホール
(右側が光ダクト)
写真:フォワードストローク
施工 Construction
敷地は、深さの異なる2 棟の建物の跡地でした。地下3階迄あった東側の建物は、建設発生土を流動化処理して所定の強度が期待できる埋め戻し土を使って新築建物の底版レベルまで埋め戻しを行い、外壁は山留壁として再利用して内部を解体しました。その後、良質土でグランドレベルまで埋戻しを行い、全周回転機で既存の底版を撤去して本設杭を施工しました。
資材の搬入は人や車両の交通量が非常に多い永代通りから行わざるを得なかったため、近隣や交通への影響が出ない様に計画し、細心の注意を払って工事を進めました。 通りに搬入車両を停車しないために工区を2つに分け、後工区を車両の乗り入れスペースとして使いながら躯体工事と仕上げ工事の大部分を完了させました。その後は、最終的に光ダクトとなる内部の吹き抜けスペースを荷揚げ動線として活用することで、外部からの吊り込みが極力少なくなるようにしました。
無柱空間を実現するために採用されたロングスパン鉄骨梁を始め、施工の進捗に合わせた綿密な搬入計画を立てて実施し、夜間のクレーン作業も最小限に抑えました。これらの工夫により、作業中の安全を確保することが出来ました。