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南三陸病院・総合ケアセンター南三陸
建物正面
南三陸町の復興工事で初めての大規模公共工事となる南三陸病院・総合ケアセンター南三陸が完成しました。東日本大震災で壊滅的な被害を受け、解体された公立志津川病院に代わって、南三陸病院・総合ケアセンター南三陸は高台に移設し、南三陸町の医療・保険・福祉の拠点となるもので、南三陸町の住民が一日も早く安心して生活できるよう「南三陸町震災復興計画」の最重要施設として位置づけられています。
工事概要
施工場所 | 宮城県本吉郡南三陸町志津川 |
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建築主 | 南三陸町 |
設計・監理 | 株式会社 岡田新一設計事務所 |
建物用途 | 病院・庁舎 |
構造・規模 | 南三陸病院:RC造 3階建 基礎免震構造 総合ケアセンター南三陸:RC造 2階建 みなさん通り:S造 |
病床数 | 90床 |
建築面積 | 6,233.97m2 |
延床面積 | 12,267.92m2 |
建物 Building
建物断面
病院とケアセンターは、子どもから高齢者、障がい者の医療・福祉の拠点となります。この二つの施設の玄関口を、シンボル空間である「みなさん通り」が繋ぐ構成となっています。
病院棟は1階に事務管理部門、訪問看護部門、手術部門、透析部門を、2階には外来部門、救急部門等を配置し、ロの字型のわかりやすい動線で繋いでいます。3 階の病棟は、最上階の利点を活かして各所にトップライトを配置し、4床室の廊下側ベッドにも自然光を導き入れています。
ケアセンター棟は、1階に保健福祉業務のオープンカウンターを配置し、2階は大会議室、子育て支援、地域活動支援、社会福祉協議会など交流の場となります。
4床室
みなさん通り
ケアセンター受付
施工 Construction
施工面では外断熱工法の外壁、宮城県産の稲井石の腰壁、耐火集成材、基礎免震構造を採用しています。立地が山を切り崩した高台にあるため、そこで伐採された木をキャノピーのルーバーをはじめとした内・外装材として多用しています。
本工事で採用した湿式外断熱工法は、コンクリート躯体に接着モルタルを介してEPS(Expanded Poly-Styrene)断熱材を貼り付け、断熱材表面をグラスファイバーメッシュで補強した接着モルタルで被覆した上に外装材を仕上げます。高い断熱性能、結露の防止、高い耐久性が期待でき、施工性も良好な工法です。
また、鉄骨の柱、梁を集成材で覆い、1時間耐火の大臣認定を取得した耐火集成材を採用しました。一般部は鉄骨の形に合わせた集成材を工場で組み立て、ボルト接合部は鉄骨に乾式耐火被覆を施したのち、カバー集成材を現場で組み立てました。
耐火集成材
地元産木材を使用したキャノピー
工場での耐火集成材作成状況
接合部の施工状況