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名古屋市営地下鉄桜通線 相生山駅~神沢駅間
名古屋市営地下鉄桜通線の延伸工事(野並駅~徳重駅間4.2km)の高速度鉄道第6号線ほら貝工区は、相生山駅~神沢駅までの延長1207mのトンネル部を泥土圧シールドで築造する工事です。2007年に工事に着手し、2011年3月27日に延伸部が開業を迎え、2011年12月に駅周辺部の付帯工事を含めた全工事が完成しました。
桜通線の延伸により、名古屋駅~徳重駅間は35分で結ばれます。名古屋市南東部の交通の利便性が向上し、多くの利用客の通勤・通学の新しい足となるとともに交通渋滞の緩和にも大きく貢献しています。
地下鉄坑内
名古屋市地下鉄路線網図
工事概要
施工場所 | 名古屋市緑区相川~緑区桃山 |
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発注者 | 名古屋市交通局 |
工期 | 2007年6月5日~2011年11月30日 |
トンネル部 | 1207m×2本(上下線) |
開削部 | プラットホーム他築造 相生山駅 90m、神沢駅 95m |
本工事は、土質条件や周辺への影響などを総合的に検討し、泥土圧シールド工法を採用しました。シールド機は外径6.9m、機長8.43m、総重量360tで、180個のカッタービットを装備したものです。
セグメントは外径6.75mで、RCセグメント(幅1.5m)1564リング、ダクタイルセグメント(幅1.2m)54リングを使用しました。
土被りは17m~38m、土質は東海層群(矢田井累層)です。
シールド機
施工 Construction
発進立坑、到達立坑共に4車線道路の中央2車線を占用した狭隘な施工条件です。相生山駅立坑でシールド機を組み立てて発進し、神沢駅立坑に到達後、立坑内でシールド機を180度回転させ、再び相生山駅立坑に戻っていく工程です。対象地盤は軟弱な粘土層や砂層、硬く固結した粘土層が複雑に入り組んでいます。
神沢駅立坑での180度Uターンには、シールド機を空気圧により浮上させ、摩擦力を低減させて回転させるエアーキャスター工法を採用しました。
エアーキャスター工法は、到達したシールド機の下にキャスターバッグを配置し、圧力を持った空気を送り込んでバッグを膨張させてシールド機を浮上させ、ワイヤーを使って回転させるものです。シールド機の回転はスムーズに行われ、約1時間で完了しました。また、復路の掘進に備えてカッタービットの交換も行いました。
桜通線延伸路線図
エアーキャスター工法
シールド機の回転手順
神沢駅立坑に到達
シールド機を回転
回転完了
復路の掘進は、断続的に支障物(鋼矢板)に遭遇し、シールド機のカッタービット、スクリューコンベアが損傷し、軟弱地盤の中で掘進の一時中断を余儀なくされました。
そのため、施工済みの往路トンネルの挙動をリアルタイムに計測監視できる設備体制を整え、シールド機周辺部を地上からとシールド坑内から薬液注入工法で地盤改良を行い、シールド機前面から機外へ出てビット交換を行いました。同時にスクリューコンベアの交換も行いました。
掘進停止から4ヶ月中断したものの、再掘進を行い、無事相生山立坑に到達しました。
相生山立坑に到達
プラットフォーム
開業日記念電車
2011年2月20日、地下鉄開通イベントとして「トンネルウォーク」が名古屋市交通局の主催で催されました。スタート地点の相生山駅には名古屋市交通局のマスコットキャラクター「ハッチー」が参加者を出迎えました。抽選で選ばれた700人の参加者は、相生山駅から徳重駅までの約2.2kmを1時間かけて歩きました。
トンネルウォークに訪れた人々
ハッチー