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中京大学名古屋キャンパス図書館・学術棟(1号館)
外観
中京大学名古屋キャンパス図書館・学術棟(1号館)は、中京大学の開学60周年(2014年)に向けた名古屋キャンパス整備工事の一環として、図書館、学術ホール、学生ラウンジ、教室を有する新校舎です。山手通りに面した外装は、歴史ある中京大学の特徴である重厚なアーチ型の外壁デザインを踏襲しており、名古屋キャンパス東地区(C-EAST)の中心的施設です。
キャンパス配置図
完成予想パース
工事全景
工事概要
施工場所 | 名古屋市昭和区八事本町 |
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建築主 | 学校法人 梅村学園 |
工事監理者 | 株式会社 山下設計 |
工期 | 2011年7月8日~2013年3月31日 |
構造・規模 | S造、一部RC・SRC造 地下1階 地上7階建 |
建築面積 | 3,475m2 |
延床面積 | 14,063m2 |
建物 Building
エントランスは吹抜けとなっており、ガラスカーテンウォールの外装が開放的な空間を創出しています。 建物は隣接する6号館の自動書庫と連結し、広い閲覧スペースやグループ学習ができるラーニング・スクエアや、飲み物を飲んだりしてくつろげるリフレッシュ・スクエアなど、充実した機能を備えた図書館と、学習や休憩スペースとしても利用できる食堂があります。3階には国際会議にも対応が可能な500人収容の学術ホールが設けられ、3階から7階には教室、ゼミ室、ラウンジなどが配置されています。年間を通じて温度が一定な地中熱を利用した空調や、断熱性能に優れたガラス、外部の明るさに応じて調光する照度センサーや人感センサーなどを採用した、環境性能に優れた建物です。
アトリウム
図書館
食堂
学術ホール
教室
ラウンジ
施工 Construction
■地下工事
地下工事は、工区を4つに分け、順次掘削を進めながらタワークレーン2基を使って基礎躯体を施工しました。建物の平面形状が扇形のため、測量はトータルステーション(角度と光波距離を同時に観測)を使用してX-Y座標で行いました。
当初予定の乗り入れ構台設置を中止し、南北2ヶ所に仮設スロープを設けて工事車両を掘削床まで降ろしました。加えて、アースアンカーを採用し、測量や基礎躯体工事の障害となる切梁や構台などの仮設部材がほとんどなくなり、施工性が大きく向上しました。
地下工事の状況
トータルステーション設置状況
測量状況
■鉄骨工事
構造形式は鉄骨鉄筋コンクリート造ですが、地上階の梁はすべて鉄骨造、柱は半数に鉄骨の丸柱が使われています。敷地形状に合わせて建物平面が扇形状をしており、その中に天井の高いホールや吹抜けを含んでいるため、非常に複雑な鉄骨架構となっています。
1階から5層吹抜けのアトリウムの屋根は、曲線のトラス梁を組み合わせた勾配のある構造です。全長28.75mの鉄骨トラス大梁の上弦材と下弦材を組み合わせて長さ方向を2分割で地組みし、仮設支保工で受けながら架設しました。
アトリウム屋根トラス組み立て状況
■PCa工事
建物外壁の外側には、中京大学の既存建築物と共通のアーチ型のデザインが採用されています。1、2階の連続したアーチ壁は、現場打設の鉄筋コンクリート造ですが、3~6階の各層のアーチ壁は、工場製作のプレキャストコンクリート造です。どちらも建物本体から持ち出した鉄骨に固定されており、最終的に石調の仕上げを施しました。
3階外周アーチPCa
6階外周アーチPCa版取り付け状況