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技術とサービス

環境配慮型BFコンクリート「CELBIC」

 高炉スラグ微粉末を10~70%の範囲で使用した環境配慮型コンクリート「CELBIC(セルビック:Consideration for Environmental Load using Blast Furnace slag In Concrete)」は、循環型社会の形成と地球環境問題の改善に寄与することを目的に、建築のコンクリート構造物に求められる所要の品質を確保しつつ、コンクリート材料に由来する二酸化炭素の排出量の約9~63%を削減するコンクリートです。
 建設材料技術性能証明(GBRC 材料証明 第20-04号)を令和3年2月22日付けで再取得しました。
(これは、既取得の建設材料技術性能証明(GBRC 材料証明 第20-02号)のデータの一部を更新したもので、証明内容の変更はありません。 )


■環境配慮性について
 高炉スラグ微粉末は、製鉄所の高炉における製銑の際に副生されるスラグを微粉砕したもので、水硬性を有しています。高炉スラグ微粉末の製造時に排出される二酸化炭素は、ポルトランドセメントの1/20以下であることから、環境負荷低減のために高炉スラグ微粉末の有効利用が望まれています。
 高炉スラグ微粉末は、JIS A5308(レディーミクストコンクリート)においては、混和材料のひとつとして、セメントに置き換えて使用されるコンクリート材料です。一般的には、あらかじめセメント工場などでポルトランドセメントに所定の分量(40~45%)を混合した高炉セメントB種として流通しています。

■CELBICの特長
 CELBICは、使用する高炉スラグ微粉末の量に応じて、A種クラス、B種クラスおよびC種クラスの3種類に分類されます(表1)。このうち、A種クラスは普通ポルトランドセメントを用いたコンクリート、B種クラスは高炉セメントB種と類似した性能を有しています。C種クラスでは適用箇所が限定されるものの、60%以上の二酸化炭素の排出量を削減することができます。加えて、これら3種類のCELBIC は、いずれも同一の高炉スラグ微粉末を用いることから、生コン工場での材料管理の負担軽減も図れ、各種類の特長を生かした建築物への汎用的な適用が期待されます。

 開発実験の結果を基に、工場の選定やコンクリートの調合設計の方法を定め、実際の生コン工場においてCELBICの製造および実際の部材を想定した施工検証を行い、CELBICの調合設計・施工マニュアルを整備しました。
 CELBICは、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)に適合するコンクリートとして製造・出荷が可能であり、CELBIC研究会への参加13社の責任において施工することとなります。

表1 CELBICの種類の呼び名と高炉スラグ微粉末の使用率、二酸化炭素の削減量および適用部位・部材

表1 CELBICの種類の呼び名と高炉スラグ微粉末の使用率、二酸化炭素の削減量および適用部位・部材

写真1 開発実験で作製した模擬部材試験体の様子 

写真1 開発実験で作製した模擬部材試験体の様子 

図1 CELBICの建築技術性能証明書

図1 CELBICの建築技術性能証明書