技術とサービス
耐摩耗ビット
ビット交換を不要にして長距離・高速化を実現します
近年のシールドトンネル工事は、立坑用地確保が困難なことから長距離化しており、それに伴いシールド掘削機前面で土砂を削り取るカッタービットの摩耗が課題となっています。摩耗したビットの交換は、シールド機前面の土砂が崩れないように地盤を固め、地中に作業員が出て摩耗したビットを交換する方法や、機内から遠隔操作でビット交換する方法がありますが、耐摩耗ビットは、これらのビット交換が不要で工期短縮、コストダウンが可能です。
耐摩耗ビットと従来ビットの摩耗状況比較
■耐摩耗ビットの特長
カッタービットは、摩耗を防止する超硬合金チップとそれを保持する母材で構成されています。このカッタービットの課題は、超硬チップの摩耗も問題ですが、それ以上にカッタービット背面の母材が摩耗して健全な超硬チップが脱落するケース(写真左)が多く、今までのビットに採用されていた背面の硬化肉盛り加工では限界がありました。
耐摩耗ビット(写真右)は、この硬化肉盛り加工に変えて超硬チップを背面にも配置することにより、ビット背面の摩耗を防止するとともに、超硬チップ脱落時の予備刃としても機能します。耐摩耗ビットでは、衝撃に強い材料、摩耗に強い材料を適時組み合わせて土質の状況に対応できます。
従来ビットの背面摩耗と超硬チップ脱落状況
開発した耐摩耗ビットの摩耗状況