技術とサービス
高引抜き対応型免震装置
高層化に対応した合理的な免震構法
通常、塔状比(高さ÷幅)の大きなスレンダーな形状の建物を免震構造にする場合、地震時に建物四隅の免震装置に大きな引っ張り力が作用します。積層ゴムを使用した免震装置(積層ゴムアイソレータ)は、圧縮力には強いが、引っ張り力には弱いという弱点があり、高層建物を免震化する場合、従来は積層ゴムの直径を大きくしたり、ダンパー機構を増やすなどの対策が必要でした。
■高引抜き対応型免震装置の概要
高引抜き対応型免震装置は、ゴムリング、ワッシャー、および内部鋼リングから成る「SWCCリング」と呼ぶ特殊なデバイスを、免震装置の取付けボルトとフランジプレートの間に入れることにより、地震時の免震装置の浮き上がりを許容して積層ゴムに作用する引っ張り力を緩和させるものです。
(※)高引抜き対応型免震装置は、別特許の嵌合機構との組み合わせで、東京工業大学、前田建設工業と共同開発したものです。