お問い合わせ サイトマップ Jp En 検索
menu

技術とサービス

錢高組技報(ZENITAKA TECHNICAL REPORT)

錢高組技報2023-No.48

論文・報告
6.オープンケーソン工法による立坑築造時の躯体コンクリートの品質確保
-観音地区下水道築造2-1号工事-
吉岡圭介 木野村達哉 東海林瞬

 本工事は広島市太田川近傍にて、雨水幹線シールド工事の発進立坑をオープンケーソン工法により構築するものである。立坑は河川の近傍に位置し、地下水位が高いことから、水密性が求められた。また、立坑は壁厚1.8m、高さ44.0m であり、新設リフト下端が既設リフトにより拘束される壁厚の大きな構造物であるため、温度応力によるひび割れが懸念され、温度応力解析を実施した。本解析ではオ-プンケーソン工法の特徴である沈設作業を再現することで解析精度の向上を図った。
 本工事における3 つの品質向上への取組みを以下に示す。①事前検討において、立坑躯体の最大ひび割れ幅を算出することで水密性の評価を行い、補強鉄筋の配置など特別なひび割れ防止対策が不要であることを確認した。②立坑躯体の温度の実測値と温度応力解析結果と比較し、ひび割れ発生確率が解析結果よりも大きくなる場合には、養生条件を適正化することでひび割れ発生確率を減少させた。③立坑打継面および外周面へのコンクリート改質剤の使用により、躯体表面を緻密化し水密性の向上を図った。
 工程短縮を目的として、ノーセパ型枠を使用した。通常の型枠組立日数が1 リフトあたり10 日間であるのに対し、5 日間の工程短縮となった。これに加え、躯体にセパレータ孔がなくなることで水密性の向上にも寄与した。

key words:オープンケーソン工法、温度応力解析、コンクリート改質剤、ノーセパ型枠

 
関連リンク
Report