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錢高組技報(ZENITAKA TECHNICAL REPORT)
錢高組技報2021-No.46
論文・報告
1.床スラブとの合成効果に期待した鉄骨梁横補剛工法
H形鋼鉄骨梁と鉄筋コンクリート造床がシアコネクタで結合された合成梁は、上フランジが材軸直交方向への変形を拘束され、横座屈(梁が曲げを受けた際に材軸直交方向に倒れる現象)に対する抵抗性が向上する。これまで、この効果を積極的に評価して、横座屈防止に必要な横補剛材を省略する工法を開発した。しかし、開発工法は中間階で上下階の柱と剛接合された状態で検討しており、最上階、もしくはセットバックして上階がない場合については未検討である。実際には、上階に柱がない場合は下階柱頭の降伏が先行し、梁は建物メカニズム時まで横座屈を起こさない場合が多い。しかしながら、それを理由として横補剛材を省略するには、別途検討が必要となる。そこで、上階柱がない場合の合成梁の横座屈に対する抵抗性について FEM 解析を用いて検討した。その結果、本工法は上階に柱がない場合についても同様に評価できることが分かった。
key words:鉄骨梁、横座屈、床スラブ、シアコネクタ、有限要素法解析
本文(PDF)
-最上階梁についての有限要素法解析-
五十嵐治人 相羽均修
H形鋼鉄骨梁と鉄筋コンクリート造床がシアコネクタで結合された合成梁は、上フランジが材軸直交方向への変形を拘束され、横座屈(梁が曲げを受けた際に材軸直交方向に倒れる現象)に対する抵抗性が向上する。これまで、この効果を積極的に評価して、横座屈防止に必要な横補剛材を省略する工法を開発した。しかし、開発工法は中間階で上下階の柱と剛接合された状態で検討しており、最上階、もしくはセットバックして上階がない場合については未検討である。実際には、上階に柱がない場合は下階柱頭の降伏が先行し、梁は建物メカニズム時まで横座屈を起こさない場合が多い。しかしながら、それを理由として横補剛材を省略するには、別途検討が必要となる。そこで、上階柱がない場合の合成梁の横座屈に対する抵抗性について FEM 解析を用いて検討した。その結果、本工法は上階に柱がない場合についても同様に評価できることが分かった。
key words:鉄骨梁、横座屈、床スラブ、シアコネクタ、有限要素法解析