技術とサービス
錢高組技報(ZENITAKA TECHNICAL REPORT)
錢高組技報2016-No.41
論文・報告
3.微動チェーンアレー探査による支持地盤の推定
近年、既製杭の支持地盤未達による建物の沈下、傾斜が問題となっている。これは、事前のボーリング調査などによる地盤の調査が不十分なために起こることであるが、支持地盤に起伏がある場合、これを十分把握できるように地盤調査を実施することは非常に困難である。
ボーリング調査などは、その結果の信頼性が高いが調査した1 点のみの情報しか得られず、これを複数箇所行うことである程度の連続性を持たせて対応することが多い。しかし、ボーリング調査は費用も高額となり、またどの程度の間隔で実施すれば問題なく支持地盤深度を推定できるかを判定することも難しい。
そこで、地表面の人為的なものによらない自然の振動から支持地盤を推定する手法として微動アレー、微動チェーンアレー探査に着目し、これを実施した。更にその後、実際に建設する建物の全杭位置において先行掘削を実施し、その結果との比較を行った。本報はその結果を報告し、今後の課題について述べる。
key words:微動アレー探査、せん断波速度、表面波、位相速度
本文(PDF)
五十嵐治人 伊藤 仁
近年、既製杭の支持地盤未達による建物の沈下、傾斜が問題となっている。これは、事前のボーリング調査などによる地盤の調査が不十分なために起こることであるが、支持地盤に起伏がある場合、これを十分把握できるように地盤調査を実施することは非常に困難である。
ボーリング調査などは、その結果の信頼性が高いが調査した1 点のみの情報しか得られず、これを複数箇所行うことである程度の連続性を持たせて対応することが多い。しかし、ボーリング調査は費用も高額となり、またどの程度の間隔で実施すれば問題なく支持地盤深度を推定できるかを判定することも難しい。
そこで、地表面の人為的なものによらない自然の振動から支持地盤を推定する手法として微動アレー、微動チェーンアレー探査に着目し、これを実施した。更にその後、実際に建設する建物の全杭位置において先行掘削を実施し、その結果との比較を行った。本報はその結果を報告し、今後の課題について述べる。
key words:微動アレー探査、せん断波速度、表面波、位相速度