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LoRaWANによる高所作業車の稼働監視システムを構築
当社は、インターネットイニシアティブと大型物流施設の現場で実証実験を行い、高所作業車の位置・稼働状況を監視する安価なシステムの実用化に目途をつけました。
高所作業車は、物流施設の建設現場において必要不可欠なものであり、最盛期には1フロア当たり40台近く稼働する現場もあります。そのため、高所作業車の位置や稼働状況を的確に把握することは、業務の生産性を向上させ、経費を削減する効果が見込まれます。しかし、高所作業車の管理を自動化するには、多数のセンサを設置/撤去したり、専用システムを導入する必要があり、現場の負担となっていました。
そこで、インターネットイニシアティブ社製LoRaWAN※1システムとBLE※2通信を用い、必要最小限のセンサとデータ収集器(GATEWAY)の構成とし、設置/撤去作業の負担を軽減しました。更に、収集したデータを既存システムのデータと連携することで、低コスト化を図りました。
実証実験では、1フロア約30,000m2の現場内に、4台のBLE/LoRaWAN変換機、1台のデータ収集器を設置することで、高所作業車の位置と稼働状況を十分な精度で把握できることを確認しました。高所作業車の位置は高所作業車の鍵に装着したBLEビーコンタグで、稼働状況は高所作業車に設置したLoRaWAN対応マグネットセンサで検知しました。併せて、LoRaWAN対応の温湿度計とWBGT※3計で現場の温湿度と暑さ指数を、警備員が装着した腕時計型ウェアラブルセンサで心拍数も確認し、安全管理の効率化にも繋げました。
今後は、実証実験で得られた知見を基に、位置情報・稼働状況のリアルタイム表示、エビデンス機能の充実などを図り、より生産性向上に繋がるシステムにする予定です。
※1 LoRaWAN:LPWA通信(低消費電力かつ長距離通信を特徴とする無線通信技術)の規格。
※2 BLE(Blue Low Energy):Bluetoothの拡張仕様の一つで、低消費電力を特徴とする近距離無線通信技術。
※3 WBGT(Wet Bulb Globe Temperature):温度、湿度、輻射熱、風(気流)を総合的に評価したもので、暑さ指数と呼ぶ。
LoRaWANによる高所作業車の稼働監視システムの概要